春ウコンはミネラルをたっぷり含んでいる
ミネラルは体を活性化する
ミネラルウォーターを始め、最近はミネラルという言葉を聞く機会が増えました。
ミネラル入りとうたった化粧品もあります。
では、いったいミネラルとは何でしょう。
分かっているようで分からないのがミネラルの働きだと思います。
ミネラルとは鉱物です。カルシウムやナトリウム、そして鉄や銅など、私たちの体の中で大切な働きをになっています。
たとえば、私たちの体はおよそ36度から37度の体温が保たれていますが、この体温を保つために、外界から水、空気、太陽の光を取り入れると同時に、栄養も取っています。
栄養とはいうまでもなく、炭水化物、脂肪、タンパク質、ビタミン、そしてミネラルや食物繊維などです。
炭水化物と脂肪は主にエネルギーとして使われ、タンパク質はエネルギーになるほか、体の組織や筋肉をつくるのに使われます。
ビタミン、ミネラルはエネルギーとしてではなく、体の中でさまざまな反応を促進させるおよそ2000種類の酵素の働きを盛んにする作用をもっています。
つまり、タンパク質が筋肉になったりするとき、その調整役として働きます。
人の体の中にはミネラルは少ししかありませんが、ある一定量がないと大は生きていくことができません。
たとえば鉄の必要量は1日に10~15mg。亜鉛は8~15mg、銅は2~3mgです。
ところでミネラルの具体的な働きですが、唾液にはアミラーゼ、胃の中にはペプシンという消化酵素があります。
この両者はカルシウムが不足すると消化作用をスムースに行えなくなります。
また、胆汁の中にはリパーゼ、すい液の中にはペブチターゼという消化酵素がありますが、この両者は、亜鉛が欠乏すると働きがおろそかになってしまいます。
ミネラルのすべてには、こういった各々の役割があります。
・不足しているミネラル→ マンガン、亜鉛、クロム、セレニウム、バナジウム、カルシウム、マグネシウム。
・不足気味なミネラル→ リチウム、鉄、銅。
・過剰なミネラル→ ナトリウム、リン。
・普通なミネラル→ ニッケル、コバルト、カリウム。
ミネラルが足らなくなった理由についてはいくつかの原囚が考えられます。
・脂肪やタンパク質の摂取が増え、微量栄養源である野菜や果物の摂取が減った。
・穀類が精白されたり、売るために見かけのよい野菜が増えた。
・調理済み食品の利用頻度が高くなった。
・食品添加物や環境汚染物質が増えた。
・化学肥料の使いすぎで農地がやせてしまった。
ウコンにはこれらのミネラル類がたっぶりと含まれています。
カルシウム含有量についていえば、あのイワシの2倍の含有量になっています。
「ウコン」に含まれる主なミネラルとその働き
リン
リンは体のすべての細胞に含まれ、骨や歯をつくり、体の成長と修復、脂肪と炭水化物の代謝を助けてエネルギーをつくり、関節炎の痛みを減らすなどの働きをしています。
また、ナイアシンの吸収、心臓の正常な動き、腎臓が正常に機能するなどの生理学的な化学反応のほとんどにかかわっています。
ナイアシンとはビタミンBの仲間ですが、私たちが比較的耳にするナイアシンとして、二コチン酸や二コチン酸アミドなどがあります。
消化系の健康を促進して胃腸障害を緩和したり、偏頭痛の予防、健康な皮膚、血液の循環をよくし血圧を下げるなどの働きがあります。
リンの働きを効率よく果たすためには、ビタミンDとカルシウムを欠かすことができませんが、リンをとりすぎるとミネラルバランスがこわれて体内のカルシウムが減少してしまいます。
一般的にほとんどの食事にはリンが多いので、カルシウム不足にならないように工夫して食事をすることが必要です。
また、個人差はありますが、40歳をこえると余分なリンを排泄する腎臓の働きが弱くなるので、カルシウム不足に注意することがより大切になります。
鉄
鉄には、貧血予防のほかに細胞機能を活性化させる働きがあります。
ビタミンCと組み合わせることで吸収率が高まり、酒飲みには欠かせないビタミンB群の適切な代謝にとって必要なミネラルです。
生理上、女性は男性に比べおよそ2倍の鉄分を必要とします。
体内にはおよそ3~4gの鉄分がありますが、そのうちの約3分の2は赤血球のヘモグロビンと結びついています。
血液は肺で酸素と結びつき、全身へ運ばれ、不要の二酸化炭素を持ち帰ってくるわけですが、鉄が不足すると貧血になり、酸素運搬能力が低下してしまいます。
顔色がすぐれず、まぶたの裏や爪が白っぽいなどの症状がある人は、鉄が不足して起こる鉄欠乏性貧血を疑ってください。
圧倒的に女性に多く、4人に1人にその傾向があるといわれ、動悸、息切れ、頭痛、肩凝り、立ちくらみ、脳貧血になって急にばたりと倒れてしまうこともあります。
鉄の1日所要量は10mgですが、ウコンにはその鉄が100g中に106mgも含まれています。
鉄が多いといわれるほうれん草よりも30倍近く多い量です。
鉄の働きをまとめておきましょう。
・体の成長を助け、病気に対する抵抗力を増進する。
・疲労を防ぎ、鉄欠乏性貧血を予防し、皮膚の血色をよくする。
ところで、食べ物からとる鉄も、たとえば鉄製のフライパンなどから出る鉄も成分的には同じです。
鉄不足を補うためにも鉄製のフライパンを使った料理を大いに増やしてください。
フライパンから鉄を取り出す工夫としては、調理の最中にたびたびフライ返しでかきまぜるか、または、油をひかずに調理をすることです。
鉄はそのままでは体に吸収しにくい性質があるので、ビタミンCと一緒にとるか、もしくはタンパク質素材と組み合わせてください。
こうすると、鉄はヘム鉄という形になって吸収されます。
まだ動物実験の段階ですが、鉄分を与えたマウスのほうが、与えられなかったものよりも発ガン物質にたいして抵抗力があったそうです。
ガン予防のためにも食べる習慣をもちたいものです。
カルシウム
カルシウムは体の中でいちばん量が多いミネラルで、第一の働きは神経と筋肉の機能を調整し丈夫な骨をつくることです。
ウコンにはこのカルシウムが100g中に169mg、牛乳の約1.6倍の量が含まれています。
カルシウム不足は骨をもろくするほか、神経を過敏にしたり、粗暴な行動に走らせる要因となります。
高齢者に多くなった骨そしょう症の予防にも欠かすことができません。
リンと一緒になって健康な骨や歯をつくったり、マグネシウムと協力しあって心臓や血管の健康を保ち、不眠症の症状をやわらげ、鉄の働きを手助けします。
もし、あなたやあなたの知り合いが生理痛で悩んでいるようだったら、カルシウムをたっぶりと含んだ食品を少し多めにとるようにアドバイスしてください。痛みがやわらぐでしよう。
カルシウムの量は20代をピークに徐々に減少していき、50歳代の女性になると急激に低下します。
骨そしょう症に悩んでいる人はおよそ400万人といわれていますが、この症状が全身に及ぶと背中や腰にだるさを感じ、その痛みがやがて持続的になります。
手足の骨がもろくなっているので、転んだ拍子に大腿骨頸部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)といった大怪我をすることもあります。
骨そしょう症は閉経を迎えた女性に多く見られる傾向がありますが、その理由は女性ホルモン(エストロゲン)の働きに関係しています。
卵巣からエストロゲンが分泌されている間は、骨からカルシウムがとられないように防いでくれているのですが、それがなくなったためヽ骨にカルシウムが蓄えられなくなってしまうのです。
ところで、日本人にカルシウムが足りないのは、風土からいってもある意味では仕方のないことです。
ご存じのように島国日本は火山国ですから、土地そのものにカルシウムがほとんどないのです。
明治36年に日本に来て、東大で初めて栄養学を講義したドイツ人のロイブ博士が、ドイツのほうれん草と千葉のほうれん草のカルシウム量を比べたところ、ドイツのほうが4倍も多かったそうです。
競馬フアンにはお馴染みのあの抜群の脚力をもつサラブレッドの足の細くて弾力性に宣んだしなやかさは、イギリスのカルシウムたっぷりの草を食べて育つからで、ドーバーぬ峡から見るそそり立った断崖の白さはカルシウムの色だそうです。
清涼飲料水をよく飲む人もカルシウムが必要です。
清涼飲料水にはリンが多く含まれているので、体内のカルシウムがどんどん消費されてしまうからです。
ビタミンA、C、D、亜鉛などはカルシウムとI緒にとるとその働きが最もよくなることが分かっています。
またマグネシウムと組み合わせることで、天然の精神安定剤の効田があることもよく知られています。
1960年代に、ヨーロッパでこんな実験がありました。
ミネラル成分が多い水を飲む地域と、そうでない地域に分けて成人病の発生率を比較したところ、ミネラル成分が多い水を飲む地域のほうが、高血圧や心臓病などの発生が少なかったのです。
この壮大な実験で、循環器系の病気に対してカルシウムが効果があると、初めて見なおされました。
ある臨床実験によると、高血圧の人にカルシウムの錠剤を処方したところ、1ヵ月で30%の人に、半年では50%の人に効果があったそうです。
人の体は血液中のカルシウム濃度を一定に保つ作用があり、外から入ってくるカルシウムが足りないと、骨のカルシウムを溶かして補充します。
ところが、外から入ってきたカルシウムは余れば排泄されるのですが、骨から溶け出たカルシウムは排泄されず、一定量をオーバーした分はコレステロールと同じように血管内の細胞に付着してしまいます。
その結果、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、高血圧を招いてしまいます。
だからといって、最近は町のあちこちに見られる栄養補助食品コーナーからカルシウムを買い、安易に飲むのはすすめられません。摂りすぎは便秘の原因になるといわれています。
あくまで普段の食事でカルシウムを摂るように工夫し、それを補うかたちで、ウコンなどの健康食品を利用することが基本です。
成人1人の1日のカルシウム必要量は00mgといわれています。
カリウム
カリウムが不足すると、むくみを生じたり低血糖の症状が起きます。
ナトリウムと一緒に働き、体の水分のバランスを調整し、心拍のリズムを正常に保ちますが、そのづフンスがくずれると、神経と筋肉の働きに障害が起こります。
そのほかの主な働きとしては、体内の老廃物の除去、血圧を下げる手助けをする、脳に酸素を送って活発な思考力を発揮させることなどがあります。
反射が鈍くなったり、何となくやる気がなくなっているなと感じたら、カリウムが足らなくなっている可能性があります。
お酒や、コーヒーをたくさん飲む人、甘いものが好きな人は、そうでない人よりもカリウムをたくさん消費しているので、意識してカリウムの多い緑黄色野菜を食卓に載せるようにしてください。
マグネシウム
血糖中の糖分がエネルギーに変わるためになくてはならないミネラルで、抗ストレスのミネラルとして知られています。
循環系の機能を促進し、心臓発作を予防し、カルシウムの沈着を防ぎ、腎臓結石や胆石を防ぐ働きがあります。
カルシウム、ビタミンC、リン、ナトリウム、カリウムの代謝に必要ですが、アルコール中毒の人は、たいていが不足していることが分かっています。
マグネシウムはビタミンB群が必要とする酵素をつくるのに欠かせないミネラルです。
ビタミンBの働きが十分でないとけいれんなどの症状が起きますが、そんな場合はマグネシウム不足が考えられます。
ウコンに含まれるミネラル類
沖縄産・春ウコンの成分(100g中)
水分 2.8%
タンパク質 9.9%
脂質 4.3%
繊維 5.2%
灰分 6.2%
糖質 70.7%
リン 295mg/100g
鉄 106mg/100g
カルシウム 169mg/100g
カリウム 1.75%
マグネシウム 268mg/100g
タンニン 0.89%
無水カフェイン 検出せず
総水銀 検出せず
DDT 検出せず
エンドリン 検出せず