ウコンの飲み方・タイミング、量の目安など基本情報のまとめ
目次
ウコンを飲むタイミングについて
ウコンは空腹時の食前に飲むのが最も効果的
薬には患部に直接働きかけて薬効をもたらす種類もありますが、たいていの薬物は食物と同じに胃から生体に吸収されて効きめを現わしてきます。
大まかに言えば、胃に入ったあと、小腸から門脈を経て肝臓に入り、そのあと血液系を巡って全身に効いてくる薬が大半を占めています。
したがって、薬を十分に吸収させるには、おなかのすいた食前や食間に「白湯」で飲む方法がいちばん効果的です。
白湯はふつう「微温湯」とも言いますが、空腹時にちょっと温かいお湯で薬を飲むと、上部小腸から効率よく吸収されます。
薬を十分に吸収させたいと思えば、胃がからっぽのときにお湯で飲めば効きすぎるほど効いてきます。
しかし、現代の西洋医学で使われている薬はそういう飲み方ができません。
おなかがすいて、胃に物が何にも入っていないときに薬が入ってくると、胃の粘膜を著しく傷害してしまうからです。
意地悪な言い方をすれば、風邪薬を十分に効かせたいと思えば、腹ぺこのときに飲むのが最も効果的ですが、副作用のため胃が大きなダメージを受け、無残なほど荒れてしまうので、現状は仕方なく食後に飲んでいるだけのことです。
ウコンは胃にやさしく、飲むことで健胃作用がある
現代の西洋医薬品は特定成分だけを抽出して濃度を高めて使っているので、効きめが鋭く作用して、副作用の危険性がいろいろ出てくるのです。
一方、生薬はそのままの形で使うため、薬効として働く成分の絶対量が少なく、薬を十分に吸収させようとすれば、食前もしくは食間に白湯で飲むケースが多くなります。
生薬の中にも胃を損傷する種類がなくもありませんが、その多くは胃に大きな負担をかけることはほとんどありません。
ウコッやガジュッは特定の臓器に限定されず、毒性が少ないため、生体を正常化させる作用を持ち、かつ上薬に位置される生薬ですから、胃を損傷するどころか、むしろ胃の治療薬として、大いに健胃作用を発揮してくれます。
ウコンのいろいろな飲み方・食べ方、利用法など
以前は気合を入れ、我慢してウコンを飲んでいた
ウコンの有効成分を最大限に吸収できる利用法は、水洗いしただけの生の根茎をそのままがりがりとかじって食べる方法でしょう。
しかし、実際にウコンの根をかじってみるとわかりますが、苦すぎて毎日のこととなると抵抗があって、とても長続きしませんし、1つ1つの根茎の成分が微妙に違っているので、効力が不安定になりがちです。
従来、ウコンの使い方の一つとして、おろし金ですりおろして、お湯に溶かして飲む方法が主流を占めてきました。
たとえば、ウコンの本場の沖縄では、ほとんどの大がショウガをすりおろすのと同じようにして、お湯に入れて、かき混ぜて、溶かし込んで服用しています。
スライスにして煎じて飲む方法もまた、昔からのウコンの利用法として広く行なわれてきました。
台湾ではこの服用法が主流です。
ウコンの粉末や粒を飲む
現在、パウダー(粉末)やタブレット(粒)にして飲用する方法が通常になっています。
保存がきき、ウコンを安定的に入手できるので、インターネットのショップや通販などで手軽に購入でき便利です。
以前はパウダー状に作ることすら難しかったのですが、成分と薬効の平均化の要求が促されたこともあって、製薬技術が向上した結果、現在ではパウダー状に作ることが容易になっています。
パウダーなら水に溶かして飲んでもかまいませんし、そのまま飲んでもかまいませんが、オブラートに包めばもっと飲みやすくなります。
しかし、最近は人々がしだいに面倒がるようになって、そのうえ製薬技術がいっそう進んだこともあいまって、持ち歩きに便利なようにと、各メーカーはパウダーにするよりも錠剤に作るほうを多く選択しています。
ちなみに、錠剤にする製法は、いったんパウダーにしたもを固めれば簡単に作ることができるわけで、薬効としてはパウダーも錠剤もほとんど変わりません。
1日に服用するウコンの量は重さにして10g程度が目安になりますが、根茎のままなら大人の親指大の大きさに相当します。10g程度を1日3回に分けて、朝昼晩の食前に飲めばよく、あるいは朝と夜の2回に分けて飲んでもかまいません。
肝臓病などを患っている人の場合は、もっと量を増やしてもいいでしょう。
ただし、病院で医師に症状の進行状況を診断してもらうことが前提条件となります。
ウコンをお料理に使う
また、ウコンを料理に使う場合、独特の辛みや芳香性があることから、南アジアおよび東南アジアの原産地では幅広く香料やスパイス用としても栽培しています。
ウコンをスパイスとして用いる場合、同時に「毒消し」としての薬効が期待されます。
したがって、ウコンを料理に利用すれば、病原性細菌を殺菌することになるため、図らずも薬用料理としての健胃作用をもたらします。
実際、ウコン入りの薬膳料理を食べると、胃腸の調子が良くなったとか、お酒を飲んでも酔わなかったとか、いろいろな効能が出てきます。
なお、最近のわが国の食卓には健康に良くない着色剤や添加物が氾濫していますが、料理の彩りとして使う場合、ウコンの黄色を上手に利用してください。
たとえば、その色合いを卵の黄身(卵黄)とかチーズの代用として使えます。
ウコンという食材は、料理に利用できる生薬としても、有識者に広く活用され、重宝がられています。
そしてまた、ウコンの殺菌力を利用すれば、なまものを洗うときの洗剤の代用になります。
ウコンを溶かし込んだ水で野菜を洗ったり、また海草を戻すなどすれば、食材にツヤが出て、これをサラダなどに使えば、とてもおいしそうに見えるでしょう。