春ウコンは胃腸の働きを助ける
老化とガンを防ぐ唾液の効果
ラットの胆道に春ウコンを注入してやると非常に強い消炎、利胆作用が表れたという報告があります。
マウスを使った実験によれば、「春ウコンは胃酸の分泌をいくらか抑制する一方、胆汁の分泌を著しく促進し、胃腸の働きをよくする」
犬を使った実験では、「春ウコン3gを水に溶かして与え、胃の運動を測定したところ、どの犬も著しく胃の運動が充進しか」また、ストレス性の胃潰瘍、十二指腸潰瘍の予防に春ウコンが効果的という報告もあります。
春ウコンが口の中に入り、粘膜を刺激すると唾液が多く分泌されます。
唾液には食べたものが体に役立つように変化させる消化酵素が含まれているほか、老化を防止するパロチンというホルモンが含まれています。
また、発ガンを防止する働きを持っています。
唾液に介まれるペルオキシダーゼなどの酵素の作用で、唾液に30秒浸すだけで、発ガン物質の毒性のほとんどが消えてしまうのです。
話がやや脇道にそれますが、唾液に関連して噛むことの効用について若干述べておきましょう。
1923年(大正12年)、ゆっくり食べる、つまりよく噛むことが健康につながる養生法として日本でブームになったことがありました。
病弱で肥満体だったH・フレッチャー氏が、食べ物をよく噛んで食べるようにしたところ、体重が30㎏も減り、健康になり、フレッチャーイズムとして日本に紹介されたのです。
噛むことは、意識してできる唯一の消化です。
胃が疲れてるなと思ったら、よく噛んで胃腸の負担を助けてあげましょう。
よく噛めば唾液がたくさん出ます。
「その一口がデブと老化とガンのもと」なのです。
大腸ガンは50%近くが再発
1990年代、日本のガン死亡者数はついに24万3585人に達しました。
およそ4人に1人がガンで亡くなっている計算になります。
ちなみに、その年に、心臓疾患が原因で亡くなった人は15万9485人、脳血管疾患では21万225人、ガンで死亡した人が圧倒的です。
21世紀には全死亡者数の2人に1人が、ガンが原因で死亡するという絶望的な予測も伝えられています。
ところで、近年になって急激に増えているガンに大腸ガンと女性の乳ガンがあります。
このまま進むと、21世紀には肺ガンと大腸ガンが男性ガンのトップを争うだろうといわれています。
その理由としては、いろいろな健康雑誌などに繰り返しいわれているように、動物性脂肪を多く含む食品のとり過ぎや、繊維質の不足といった食生活の欧米化が指摘されています。
脂肪分のとり過ぎが、どうしてガンにつながるのでしょうか。
まず、コレステロールや中性脂肪を増やし、高血圧を助長して動脈硬化の原因となり、脳溢血、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞の発生率を高めます。
高脂肪食ですと、それを消化するために胆汁が多量に分泌されますが、これが大腸の内壁にすみついている腸内細菌に悪影響を与えてしまうのです。
大腸ガンは胃ガンよりも進行がゆるやかで治療もしやすいといわれています。
ですが、患者の50%ちかくが再発してしまうケースが多く、やっかいな病気です。
大腸ガンが発生する理由としては、遺伝によるもののほかに、高脂肪と繊維質の足りない食生活が指摘されています。
自覚症状は人によって異なりますが、肛門からの出血、粘液状の黒い便、鉛筆のような細い便などが一般的な症状といえます。
大腸の中でもとくに直腸部分に一番多く発生しますが、その理由としては、直腸部分の汚染物質の滞留時間が長く、汚染濃度が高くなるからだろうといわれます。
食物が口に入ってから肛門にまで到着する時間には個人差があります。
戦前の日本人は約30時間、現代人は半日から数日、それに比べ、欧米人は3日以上という統計があります。
滞留時間が長ければ、汚染濃度が高くなるのはいうまでもありません。
また、排泄の量ですが、ある調査ではイギリスの学生では210g、ウガンダの農民は四60gというデータがあります。
この差は肉食と繊維の多い食事との違いによります。便は体の中に溜めておいても一文の得にもなりません。
高脂肪、少繊維食を続けることは便秘にもつながり、その結果、大腸ガンを引き起こすという図式が考えられるのです。
お腹の働きをよく理解し、無理をしたら休ませることを忘れない、これが健康の基本です。