
ウコンの種類は、3種ございます。
以下で、ウコン類の特徴や見分け方、比較などを説明させて頂きますが、一般的に「ウコン」と表記するものは秋ウコンのこてでございます。
秋ウコンは一般にはよく認知され、生産量も流通量も圧倒的に多く、栄養ドリンクなどにもなっています。一般的にウコンと言い、特にカレーの香辛料などとして「ターメリック」呼ばれ、こちらの名前で知っている方も多いかもしれません。
春ウコンの正式な和名は姜黄(きょうおう)と言います。名前に「黄」と入っているように、外見も黄色をしています。花が咲く時期にちなんで「春」が名前についています。
このサイト運営者は、ウコン類の中で「春ウコン」が最も薬草として効果があり価値があると、総合的に評価しております。
従いまして、春ウコンの情報を中心にこのサイトで説明させていただきます。
「春ウコン」「秋ウコン」「紫ウコン」の基本情報
ウコンおよびガジュツは、ともにショウガ科のクルクマ属という熱帯性の多年草植物に属しています。「春ウコン」「秋ウコン」「紫ウコン」の3種類が確認されています。
「秋ウコン」は、古くから沖縄で栽培されてきたこの種のウコンは日本薬局方(わが国での医薬品の規準を定めた公定書)での生薬の一つに認定されています。
秋ウコンはまた、古くから衣料の黄色染料として用いられ、同時に虫除けの役目を果たしてきました。また、殺菌作用があるため、食べ物の着色剤としてもよく利用されており、タクアンやカレー粉の黄色い色素は、秋ウコンから取り出された成分です。
「春ウコン」は現在のところ、まだ日本薬局方の生薬として認定されていません。しかし、最近では秋ウコンより春ウコンのほうが薬効効果が評価され、沖縄で薬理作用を有する生薬として多く栽培されています。
「紫ウコン」は別名「ガジュツ」と呼ばれます。ガジュツもまた、薬理作用が認められるショウガ科の生薬の一つですが、薬効はウコンとやや異なっています。
春ウコン・秋ウコン・紫ウコンの見分け方
3種のクルクマ属の見分け方には、根茎での切り口や粉末の色合いで判別する方法があります。
春ウコンの切り口および粉末とも鮮やかな黄色です。
中国の本草書で春ウコンの根茎部をとくに「姜黄(キョウオウ)」と呼んでいますが、これは「生姜の黄色い部分」もしくは「黄色い生姜」という意味にほかなりません。
一方、秋ウコンの切り口は濃い橙色(だいだいいろ)を示し、粉末は茶色に近い色を呈します。
また、ガジュツは黄色の色素であるクルクミンの含有量がうんと少ないため、切り口は薄い水色を示し、粉にすると淡い黄土色を呈します。
わかりやすく言えば、同じ黄色でも、春ウコンは鮮やかで、秋ウコンが濃く、ガジュツは薄い色合いです。
株の容姿の特徴
ウコンやガジュツには、一見すると花と見まごうばかりの美しい「ほう葉」がありますが、一般にこれを花と呼んでいます。
花(ほう葉)を比べてみると、春ウコンではピンク色の花を咲かせますが、秋ウコンでは葉が繁ったあと中央の一番太い茎から白い花が出てきます。
おもに4月から5月にかけて花が咲くので春ウコンの名があり、秋ウコンは七月から8月にかけて花を咲かせます。
ガジュツは春ウコンと同じピンク色の花を咲かせますが、春ウコンの花びらの先が尖っているのに対して、ガジュツのそれは丸みを帯びています。
葉を比べてみると、葉の裏側がビロードのような印象で、ざらざらした手触りを感じさせるのが春ウコンです。
秋ウコンの葉の裏側はつるつるしています。ガジュツの葉には、表側の中心を縦に黒い筋が通っています。
根茎は両ウコンとも多肉質で、分岐しており、ショウガそっくりの形をしています。
ガジュツは根が多いため、根茎が小さく分岐しているものの、形そのものはやはり両ウコンとよく似ています。
味の比較
味を比較すると、春ウコンにほきわめて刺激性の強い渋みと辛みがあって、生の状態でかむと口全体がぴりぴりします。
秋ウコンの苦みと渋みは、春ウコンほど強くありません。
ガジュツも苦くて渋くて、舌がぴりぴりする味です。
ちなみに、秋ウコンからは特有の香りが漂います。
日本では、3種をキチンと区別し扱っている
中国の薬草市場ではウコンと書いてガジュツであったり、ガジュツと記載されたものがウコンであったり、歴史的にも両者は常に同じ物のように扱われて混同されてきました。
ウコンとガジュツは一見して同じように見えることから、中国本土や台湾に行くと、この3種はごちゃまぜに扱われています。
中国の古い書物文献なども、残念ながらこの3種をきちんと区別して書かれた例はきわめてまれで、3つのうちのどれを使ったのかが明確出ないものがほとんどです。
しかし、わが国では、古くから3種をきちんと分けて管理されてきました。
有益な情報を先人たちが遺してくれたことコト、几帳面な日本人の国民性を改めて誇りに思います。